巻頭言
改革と革命と
沖山 奈緒子
1
Naoko OKIYAMA
1
1東京科学大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野,教授
pp.257-258
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000005017
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改革という言葉が多用されている。始まりは,小泉内閣のときの「改革なくして成長なし」「聖域なき構造改革」というスローガン辺りからなのだろうか。最近なら,医療界で大きなものは働き方改革である。英語で言えばreformation,つまり,現状の悪いところを正して,良い方向へもっていくこと。革命revolutionというほどには現状ひっくり返すわけではなく,改善improvementというほど現状肯定に基づく小さな一歩というわけではない,というところになるだろうか。「日本はこのままではいかんのではないか」の茹でガエル状態を打破したいが,革命としてすべてひっくり返すに至るほどにはぶち壊せない,そんな日本人の感覚をちょうどよく表しているのが「改革」な気がする。
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