調査・研究
看護教員の授業・実習指導上の不安や悩み―経験年数との関連をみる
熊谷 温子
1
,
西村 千代子
2
1川鉄病院附属高等看護学院
2日本赤十字社幹部看護婦研修所
pp.58-62
発行日 1992年1月25日
Published Date 1992/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900330
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医療はますます専門分化し,看護婦には専門職者として高度な知識・技術が要求されている.このようななかで,それを教授する看護教員(以下教員という)の質が問われるのは必至である.しかし多忙な環境で教員の悩みは多く,臨床に帰りたいと訴える者も少なくない.教員には看護の十分な知識,技術,態度を備えているだけでなく,さらに高い教育的能力が要求されているからであろう.
私は,教員の質的向上を図るためには経験年数別にみて教育実践上どこに不安や悩みがあるのか,またそれをどのように解決しているか知る必要があると考えた.1988年の浜田らの研究では,教員の教育実践上の悩み,不安,不満は教材研究,授業方法,技術の工夫等であり,本来の業務以外の問題を含め多彩であると述べている1).しかし,経験年数別による悩みの内容までの調査に至っていなかった.そこで,今回は,経験の少ない教員でも職責が課せられる授業,臨床実習(以下実習という)指導の面にあらわれる不安や悩みに焦点をあてた.ここでいう「不安」とは,“うまくできるか”“理解してくれるか”“認められるか”といった教員の心配の現象をさすこととした.
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