特別講義
看護教育における「哲学」のあり方―学生と創り上げる授業
小松 奈美子
1
1慈恵青戸看護専門学校
pp.64-69
発行日 1992年1月25日
Published Date 1992/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900331
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ある体験
私は,現在,看護学校で哲学を担当させていただいていることを実に光栄なことだと思っている.少しオーバーな言い方が許されるならば,ある種の使命感に燃えている.その使命感は「ある体験」ののちに,徐々に私の内部ではぐくまれてきたものである.実際,それまでは,看護教育にはほとんど関心をもっていなかった.もちろん看護の実態についての知識も実に乏しいものであり,ナースが病院においていかに重要な役割を果たしているかなど,考えたこともなかった.
しかし,私は,いつか機会があれば,看護学校で特に哲学を教えたいと強く望むようになった.「ある体験」とは,実は,4年ほど前に長男(当時高校2年生)が十二指腸潰瘍で入院した時の体験である.
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