特集 臨床判断能力の育成 優れた実践と評価に向けて
臨床判断モデルから考えるコンセプト・ベースド・ラーニング
谷水 名美
1
,
小林 寛子
1
,
宮川 彩花
1
,
宇都宮 明美
1
1関西医科大学看護学部
pp.676-681
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202327
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臨床判断能力として目指すべきもの
第5次保健師助産師看護師学校養成所指定規則改正において、「臨床判断の基礎的能力」の育成が盛り込まれ、看護基礎教育において臨床判断能力の教育に取り組まなければならなくなった。しかしながら、「臨床判断能力の効果的な育成方法に関するエビデンスはまだ十分とはいえず、教員の試行錯誤が続いている」といわれている1)。
Tannerは、臨床判断を「患者の健康に関するニーズや心配、懸念、また健康の問題に対しての解釈をしたり結論づけたりする。(中略)患者さんの反応によって(アプローチを)決めていく行為」と定義している2)。また、Tannerは、「気づき」という知覚の部分や、状況を分析的・直観的・説話的に「解釈」する推論に続き、その人に合った「反応」という一連のプロセスを明らかにしている。それは、看護経験のある人なら納得のいく説明だろう。
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