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私のがん診療へのスマホ活用論
スマホ活用十人十色
スマートフォン(以下、スマホ)の普及は私たちの生活を格段に便利なものに変化させてきました。なにも調べずに家を出ても、スマホさえあれば電車の時間も、夕食のお店も教えてくれますし、最近では電車賃や食費・生活費の支払いまで済ませることができます。いろいろな手間を省略したり、さまざまな機能を集約化したりできることがスマホの最大のメリットといえます。では診療はどうでしょう? スマホは同じくらい便利にしてくれているでしょうか?
筆者は学生時代にWindows MobileのHT-02Aを使い始めてから、現在のiPhone XSまで数機のスマホを乗り換えながら、なんとか診療により活用できないか試行錯誤してきました。途中、大量のアプリ(以下、App)を抱えて結局あまり使わなくなったり、情報整理に時間をかけ過ぎて便利どころか負担になったりと、右往左往しましたが、皆さんにもそのような経験が少しはあるのではないでしょうか。現在は以下で述べるような、自身の情報整理の原則に従ってスマホの位置付けを明確にすることで、スマホを駆使した診療ができているように思います。ただし、これはがん専門病院で駆け出しの専門医である私にとっての最適解であって、理想的な活用方法は、立場(例:専門医か後期研修医か)や施設(例:専門病院か総合病院か)などによって当然に異なってくるものと思います。方法の詳細ではなくて、それらの根底に流れている考え方をくみ取っていただき、それが読者の皆さんの診療とスマホをより有機的に結び付けるきっかけとなれば幸いです。というわけで、本稿は「がん診療お役立ちApp 10選」みたいな内容とはちょっと異なりますが(期待していた皆さんごめんなさい)、そういう特集は一部宣伝の要素も含まれますので、スポンサーがないことを武器に真の活用法に迫れればと思います。
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