特集 臨床判断能力の育成 優れた実践と評価に向けて
コンセプト・ベースド・カリキュラムを通した臨床判断能力の育成
西田 好江
1
1泉佐野泉南医師会看護専門学校
pp.664-672
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202324
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未曽有の少子超高齢化社会の中で、日本全体が経済的に衰退化する方向に動いており、看護教育界もその影響を受けざるを得ない現状があります。18歳人口の減少による受験生の減少、実習施設の確保困難、質の高い教員の人材確保が困難、教員の高齢化により学生とのジェネレーションギャップの拡大とハラスメントの問題、若者自身が抱える経済的な困窮やメンタルヘルスの問題、モンスターペアレントからのクレームなど、明るい話題がほとんどない状況で、看護基礎教育現場も疲弊しつつあることを肌で感じていました。
「このままでいいのか?」という疑問と、「日本全国の看護専門学校の存続は難しいのではないか」という不安な気持ちの中、目の前にいる本校の学生を見ると明るく元気でダンスが上手、教育キャンプでも素晴らしいリーダーシップを発揮することができ、自分たちの力で組織をつくって行動できる能力があり、生命力に満ちています。そして、何よりも彼ら自身が直面するこれからの未来に希望を持っており、「良い看護師になりたい」「地域に貢献したい」「患者さんの苦しみを軽減したい」という思いを抱いています。私たち教員は、この貴重な人材である彼らが、未来の看護界をより良い方向に改革してくれるような教育をしなければならないと考えます。
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