特集 臨床判断能力の育成 優れた実践と評価に向けて
コンピテンシー基盤型教育で目指す臨床判断能力と期待されるアウトカム
西村 礼子
1,2
1東京医療保健大学医療保健学部看護学科基礎看護学領域
2東京医療保健大学大学院医療保健学研究科
pp.682-690
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202328
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
大学教育ならびに医療専門職教育は質保証を目指し、コンピテンシー基盤型教育(Competency-Based Education 以下、CBE)へと転換しつつある。看護学教育においてもCBEが期待され、American Association of Colleges of Nurses(AACN)は、2021年に「The Essentials : Core Competencies for Professional Nursing Education」1)にてエントリーレベルとアドバンスレベルのコンピテンシーを明確にし、看護基礎教育から卒後教育までの一貫性あるシームレスな教育を目指している。
CBEの考え方は、コンピテンスを多次元的・動的・文脈的・発展的なものとして理解することである2)。CBEは、卒業後のアウトカムを基本的に重視し、社会と患者のニーズの分析から導き出されたコンピテンシーを中心に組織化された、実践のためのアプローチである。CBEは、時間ベースのトレーニングに重点を置かず、より大きな説明責任・柔軟性・学習者中心主義を約束するものである3,4)。コンピテンシーは、知識・スキル・態度などの統合的な能力かつ行動として観察できる能力であり、コンピテンシー基盤型カリキュラムは、到達目標ベースを発展させ、知識・スキル・態度などを、その場面の要求・課題に合わせて、どう結集・統合するかに重きが置かれる3,4)。
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.