特集 臨床判断能力の育成 優れた実践と評価に向けて
「看護師のように考える」ための教育方法―看護師の「看護行為(反応)」から逆算して考える
木林 寿恵
1
1富山県高岡看護専門学校
pp.656-663
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202323
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はじめに
富山県高岡看護専門学校(以下、本校)は、県西部にあった設置主体の異なる3つの看護学校が2017年に統合して開設された1学年120人の大型校である。第5次指定規則の改正に伴い、2020年度から「臨床判断能力」の育成を目指し、ワーキンググループを中心に学習会や検討会を開始した。本校では、筆者を含めた2名の教員が2019年に教務主任養成講習会において「看護学教育方法・評価」を受講し、「臨床判断を育む教育方法と評価」について、逆向き設計の視点から検討してきた経験があった。そこで、筆者を含めた2名の教員がワーキンググループの中心となり、4名の専任教員と共に検討を重ねた。
当時は「臨床判断能力の育成」に向けて大学の取り組みが少しずつ紹介されていたが、基礎教育でどのような力を身につけることを目指すのか、3年間という短い看護師養成所のカリキュラムで本当に可能なのかという不安もあった。また、統合して間もない本校においては統合後に編成した現行カリキュラムの課題も多く、新たな挑戦をしていくことに前向きな意見ばかりではなかったが、従来の教育にみなが満足しているわけではなく、カリキュラム改正は1つのチャンスだと捉えた。
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