特集1 省察的実践を実践する 方法論・マニュアルとは異なる形のかかわり方を考えるために
「省察的実践」から相手とのかかわり方を問い直す
三輪 建二
1
1昭和大学認定看護師教育センター
pp.368-375
発行日 2024年8月25日
Published Date 2024/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202268
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はじめに
『わかりやすい省察的実践―実践・学び・研究をつなぐために』(医学書院、2023)を刊行して1年余りを迎えている。看護職をはじめ多くの専門職分野の読者を得ることができ、本書をベースとする講演会や研修も看護学校・看護系大学や病院で、また、看護以外の専門分野(ケアマネジャー、助産師、保育師、学校教育の分野など)で実施してきた。こうした反響の大きさは、筆者にとっても驚きだった。省察的実践をはじめ書籍に込めたメッセージに、どのような期待や関心が寄せられているのか、あらためて考えてみたいと思うようになった。
研修終了後のアンケートでは、「印象に残ったことを記載してください」と記述式のアンケートをお願いしている。その結果、数値による満足度調査では見えてこない生の声が手元に届いている。本稿ではこれらの「声」をもとに、読者や参加者が期待するものは何かを検討したい。その際のキーワードとして、「対人関係専門職」「省察的実践」「成人学習者」「学習支援者」「省察的実践サイクルのらせん的な展開」の5つを取り挙げる。かかわり方という表現を用いているが、これは教育や研修場面だけでなく、日々のやり取りを含むことを意図しているからである。なお、ここで掲載した声はほぼ共通しており、また、個人が特定されないようにしてある。
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