増大号特集 特集2 オンラインで学びを深める協同学習
臨地協同学内実習の開発と実践―まるで病棟にいるような精神看護学学内実習をめざして
平上 久美子
1
,
澤田 由美
1
,
山岡 八千代
1
1姫路獨協大学看護学部看護学科
pp.786-794
発行日 2021年8月25日
Published Date 2021/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201792
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はじめに
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、看護基礎教育機関では臨地(病棟)での実習の中止や変更、延期を余儀なくされている。2020年12月の調査報告では、変更なく実施された臨地実習は全体のわずか12.9%に過ぎない1)。この状況は2021年度も続いており、臨地実習にかわる新しい実習方法の創意工夫が求められている。
筆者らは、このような状況に直面したことであらためて病棟における臨地実習の意味を考え、協同教育を基盤とした、臨地に行かずに「まるで病棟にいるような」学内実習(以下、臨地協同学内実習)の開発に取り組んでいる。
本稿では2020年度後期に実施した精神看護学領域の臨地協同学内実習の概要と成果を報告する。まず、協同教育の観点から実習がどのように展開したかを紹介する。次に実習に参加した学生、実習指導者、教員を対象としたインタビューや調査を手がかりに、具体的な出来事もふまえながら実習の有効性を考察する。
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