Japanese
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講座 理学療法教育論・5
学内実習の実際
Physical Therapy Education. 5: Clinical Practice in the Campus
渡辺 進
1
,
国安 勝司
1
Susumu WATANABE
1
,
Katsushi KUNIYASU
1
1川崎リハビリテーション学院理学療法学部
1Division of Physical Therapist, Occupational Therapist Training, Kawasaki Medicai School.
pp.329-333
発行日 1995年5月15日
Published Date 1995/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104285
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Ⅰ.初めに
理学療法士は1966年に誕生した.以来,理学療法士に対する需要はますます増加し,その活躍の場はしだいに拡がってきた.例えば,内部障害,代謝障害,ICU,スポーツ外傷などである.一方,急速な人口の高齢化に伴い,1980年代後半より保健・福祉あるいは地域リハビリテーションの分野で理学療法士と作業療法士とが重要なマンパワーとして位置付けられ,社会の新たな期待が高まっている.
このような社会の要請の拡大と変化とを受けて,理学療法士教育も大きな変化の時代に入りつつある.第一に理学療法士学校・養成施設(以下,養成校と略.)数および定員数が増加した.第二には大学および大学院が設置され,高等教育が始まったことである.第三はカリキュラムの改正である.さらには,1994年度から(社)日本理学療法士協会による卒後の生涯学習システムも本格的に動き始めた.そこには過渡期ゆえの混乱や問題も多い.古米1)の言うように,理学療法そのものの定義もゆれている.過密なカリキュラムによるゆとりの不足,養成校の急増に伴う教員の不足,臨床実習施設の不足,臨床実習指導者の処遇や教育の問題,卒業時の到達目標の問題,卒前・卒後教育システムの一貫性の問題などが山積している.
今回の報告の目的は,そのような状況の中で臨床実習教育,特に学内あるいは附属(関連)施設での臨床実習に焦点を絞って調査を行ない,その意義と在るべき姿とを明らかにすることであった.対象は1994年度までに開校した64校で,郵送によるアンケート調査を実施し,回答を得た57校(89%)の現状と意見とを分析し,私たちの意見を述べた.
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