特集 小児看護の学内実習
小児看護における学内実習論
兼松 百合子
1
1千葉大学看護学部
pp.262-267
発行日 1989年5月25日
Published Date 1989/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908654
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はじめに
看護教育において学内実習は,古くから基礎看護の看護技術実習として,学校内の看護実習室で行なわれてきた.しかし,近年は,成人看護,母性看護,小児看護についても学内実習として学習される内容が検討され,各々の授業の中に組み込まれ,実習室も基礎看護実習室とは別に専用の実習室を持っているところも多くなっている.さらに,学生1人1人の積極的な参加により討論や資料の分析を主体とした演習形式の学習も,学内実習の一環として位置づけるという考え方もある1).
このような傾向は,現行のカリキュラムが定着する過程に,教育内容・方法の検討が進んだことや,短大,大学の増加,看護教育に関する講習会,研究会,学会などの発展によるところが大きいと思われる.しかし,また一方では,臨床実習場に充分な時間的,人的余裕がなく,従って,技術の基礎的な学習は学内実習に期待される部分が大きくなっていることから,小児の実習場が少ない小児看護実習においては,より顕著であろう.
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