特集 実習での学びの最大化
臨地実習の学習環境デザイン―看護学生を成長に導く良質な経験を得るための工夫
奥野 信行
1
1京都橘大学看護学部
pp.134-142
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202219
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
「看護学実習ガイドライン」1)では、臨地実習は次世代の看護系人材を育成する重要な教育の場と位置づけられ、教育の質を保証するための学習環境づくりの重要性が主張されています。
学びとは、環境との相互作用をとおして得られた「経験」についての主体的な意味づけであり、教育者はどのような「環境」が学習者の成長を導く「経験」に役立つのかを具体的に認識することが重要2)とされます。看護理論家のウィーデンバックも、将来の看護実践家を育てる準備という責任において、看護の学びにつながる「経験」が臨床で得られるように手配することの必要性を主張しています3)。看護学教育において臨地実習は、「為すことによって学ぶ」という活動が主たる授業であるため、学生を成長へと導く経験が得られる学習環境づくりが求められると言えるでしょう。
本稿では、臨地実習において看護学生を成長に導くための良質な経験が得られる学習環境とは何かを紐解き、その整備には何が必要とされるのかについて、筆者の取り組みを含めてご紹介します。
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.