特集 看護実践につながる専門基礎科目の教授法
看護に必要な解剖生理学の知識の整理とその教授法
清村 紀子
1
1大分大学医学部看護学科
pp.802-812
発行日 2020年9月25日
Published Date 2020/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201565
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はじめに
筆者が「からだの構造と機能」に関する教科目を担当し、今年で16年目を迎える。「からだの構造と機能」に関する教科目は、①看護ケアを必要とする人間が示す反応の理解、②看護活動の理論的・科学的根拠を保証する、③看護ケアの開発や改善といった学問体系の構築、といった点において、看護学を学ぶための基礎となる教科目で、誰もがその重要性を認識している。2022年度(看護師2年課程では2023年度)から適用予定の第5次改正指定規則では、臨床判断能力の基盤強化を目的に解剖生理学や薬理学などの専門基礎科目の単位数が増加され、その内容充実に期待が寄せられている。
本稿では、解剖生理学の現状における課題を整理するとともに、筆者自身が実際に展開している講義の枠組みや内容の一部について、筆者の経験を交えながらお伝えしたいと思う。新カリキュラムにおいて、解剖生理学が果たす役割を十二分に発揮するためのいくばくかの参考にしていただければ幸いである。
なお、指定規則等の改正に伴い変遷してきた解剖生理学・人体の構造と機能・看護形態機能学の呼称については、からだに関する知識体系をもつ学問としてすべて同義的に取り扱い、本稿では「解剖生理学」と表記することとする。
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