特集 看護実践につながる専門基礎科目の教授法
看護師の臨床判断を支える基礎―フィジカルアセスメント教育を例に
山内 豊明
1
1放送大学大学院
pp.794-801
発行日 2020年9月25日
Published Date 2020/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201564
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なぜ「臨床判断能力」が求められるのか
医療とは、他者と接する臨床という場面において、他者への身体をとおしてのかかわりによって成立する。この場合の身体とは、いわゆる「からだ」(肉体)だけでなく、内的な精神活動も含む。ただし、精神活動には直接触れることができないため、物体として現存している身体を介して接することとなる。
他者へどのようにかかわるかは、いわゆる「介入」である。どのような介入を行うかは、何を必要・不要とするかに依存し、その場面にふさわしい介入が適切に取捨選択される必要がある。つまり、あらかじめ決められた介入を機械的に行うのではなく、その場面についての適切な状況判断に基づく介入を行う必要がある。この臨床場面での状況判断が「臨床判断」である。
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