増刊号特集 行動する看護師長 これからの臨床看護マネジメントの実践
―フィジカルアセスメントを鍛える―看護師長がスタッフに伝える「患者を理解するためのフィジカルアセスメント」
山内 豊明
1
1名古屋大学大学院医学系研究科
pp.608-616
発行日 2009年7月26日
Published Date 2009/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101523
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《看》=手と目
「看護をする」という言葉遣いを耳にした場合,何が思い浮かぶであろうか。清拭・体位変換・食事介助などなど,さまざまな看護の基本援助技術が思い浮かぶかもしれない。確かに看護の「看」の字には「手」という要素が含まれている。その一方でこの「看」という文字には「目」という意味も含んでいる。すなわち「手」と「目」をもって関わることであろう。
「手」に相当するものは目に見える,すなわち可視化されている「介入行為」であろう。すると「目」は何か。これは「観察」という行為であろう。観察ははたから眺めていると「見ている」ことである。これは一見すると受け身的行為に捉えられがちである。しかし,目に光が届き網膜細胞が反応し,その刺激が大脳の視覚野に届くということは,観察には必要でこそあるがそれだけでは十分ではない。大脳視覚野での刺激が意味を形成しなければ「見た」ことにはならない。
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