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書評 看護教育実践シリーズ5 体験学習の展開
高塚 由香里
1
1ハートランドしぎさん看護専門学校
pp.961
発行日 2019年11月25日
Published Date 2019/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201369
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豊かな体験をしてほしい、と願う看護教員へ
「豊かな感性」と「臨床の知」を育む看護学生にとって、経験が非常に大きな意味をもつといえます。経験はそれぞれの体験に意味づけがなされて蓄積されていくことや、体験には実感・発見・感動があることに鑑みると、学生にとってのより豊かな体験を意図的に準備することが、私たち教員には求められます。
看護実践能力の育成のために、体験の機会を多くもち、振り返りを充実させることの必要性は常に言われており、看護教育の現場においてさまざまな体験学習の方法が活用されています。そのなかでも、臨地実習は代表的な体験学習の場であり、患者・家族・他の医療従事者の方々とのかかわりから学習を深めることのできる最も貴重な体験です。しかし、やり直しのきかない本物の体験であり、リスクを伴うことになるため、多くの学校では事前にロールプレイやシミュレーションを実施しています。私の勤務する看護学校においても、ロールプレイやシミュレーションによる演習を体験することで、学生は安全を保障された環境のなかで自身の行動のイメージができ不安の軽減につながっているようで、必要な学習方法であると実感しています。
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