体験学習の功罪―床上排泄体験は有効か

　いかに学習者に体験学習をさせようか．これは，教員であれば誰もが頭を悩ませ，苦労する点の1つであると思う．

　看護教育の中でも，関係雑誌で度々「体験学習」が特集され，多くの文献も出ている．ロールプレイをはじめ心理学的な分野が多いが，その中で必ずといっていいほど出てくるのが「床上排泄体験」である．しかも，その大半が「いかに床上排泄を体験させることが患者の理解に有効か」というものであり，「学生の90％がやってよかったという結果であった」とかなりの効果を自負しているように感じる．