特集 実習病院と教育機関の関係づくり
臨地実習で、働く場として選ばれる病院になる―実習病院と教育機関の連携
桑原 安江
1
,
半場 江利子
1
1地方独立行政法人京都市立病院機構京都市立病院
pp.902-908
発行日 2019年11月25日
Published Date 2019/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201355
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近年、疾病構造の変化や少子超高齢社会の進展に伴い、医療・介護をめぐる状況は大きく変化しており、看護職にはこれまで以上に高い専門性が求められている。このように社会的な医療ニーズが変化するなか、看護系大学が増加し、なかでも附属病院などの関連医療施設を有しない大学の増加が顕著である。基礎教育機関は、患者像の複雑化に対応できる総合的な看護教育が求められる一方で、臨地実習先の確保に苦慮している現状がある。また臨床においては、病院機能の拡充や変更に苦慮しながら、多様なニーズに対応できる優秀な人材の確保や育成に取り組んでいる。
独立行政法人京都市立病院機構京都市立病院(以下、当院)は2012(平成24)年度より、新たに京都橘大学の看護学実習の受け入れを開始した。実習を受け入れるにあたり、実習指導者(以下、指導者)の育成や指導・教育体制などの組織強化を始め、実習環境の整備を行いながら、大学との連携のあり方について教員との議論を積み重ね、協働を推進してきた。その結果、互いに「看護の質の向上」を目標とした良好な関係を構築することができた。今回の特集では、7年間にわたる看護基礎教育機関と臨床との連携の実践について紹介したい。
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