特集 医療シミュレーション教育 21世紀の医学教育の潮流
大学におけるシミュレーション教育
阿部 幸恵
1
1東京医科大学病院卒後臨床研修センター
キーワード:
シミュレーション
,
問題解決能力
,
クリニカル・シミュレーション・ラボ(スキルスラボ)
,
臨床技能
Keyword:
シミュレーション
,
問題解決能力
,
クリニカル・シミュレーション・ラボ(スキルスラボ)
,
臨床技能
pp.106-109
発行日 2009年2月15日
Published Date 2009/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101615
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大学におけるシミュレーション教育の意義
■変革期にある医学教育
近年の医療技術の進歩はめざましく,医師として備えるべき専門的な知識や技術は高度で膨大である.また,医師に求められる臨床能力についても安全で質の高い技能のみでなく,豊かな人間性に裏打ちされたコミュニケーション能力や柔軟な思考などが求められている.時代に即した医学教育の構築が急務となっている.2001年には,医学・歯学教育のあり方に関する調査研究協力者会議から「医学教育モデル・コア・カリキュラム―教育内容ガイドライン(J1)」が提示され1),各大学においてカリキュラム改革が進められている.また,2005年度からは,医学教育モデル・コア・カリキュラムの到達目標に基づいて,臨床実習前の学生の知識・技能・態度を評価する全国共通の標準試験(共用試験CBT・OSCE,J2)の実施も始まった.臨床実習も従来の見学型から診療参加型へ転換しつつある.国家試験へのOSCE導入の動きもある.まさに,日本の医学教育は大きな変革期を迎えている.これからの医学教育に求められているのは,基本的知識や技術を備え,それらを応用する力,問題解決能力,実践力を身につけた人間性豊かな人材の育成である.
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