連載 つくって発見! 美術解剖学の魅力・18
骨盤内臓(女性)―子宮はひもで支えている
阿久津 裕彦
1,2
1順天堂大学解剖学生体構造科学講座
2東京造形大学彫刻専攻領域
pp.425
発行日 2019年6月25日
Published Date 2019/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201248
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女性の骨盤内臓には、胎児をその内部で育てる子宮が備わっています。平常時の子宮は、前方にある膀胱にもたれかかっています。子宮体上部の子宮底の左右からは卵管が伸びています。子宮は、ひも状の靱帯を四方に伸ばしています(①、②)。さらにそれら全体を膜で覆うことで位置を安定させているのです。
造形では、まず体壁に見たてた粘土板を作ります。次に栗のような形の膀胱を作り、そこに左右2本の尿管をツノ状に付けます。体壁の上に膀胱を乗せたら、膀胱の後ろに、前後に少し平らな円柱を立たせ、これを腟とします。ここに、扁平なナスのような子宮を乗せ、前方へ倒すように曲げます。続いて、腟の後方に大きな直腸を立たせます。
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