連載 つくって発見! 美術解剖学の魅力・16
骨盤―脚を動かし、内臓を守る
阿久津 裕彦
1,2
1順天堂大学解剖学生体構造科学講座
2東京芸術大学美術解剖学講座
pp.259
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201208
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骨盤はひとかたまりの大きな骨格ですが、実は背骨と脚の骨の一部からなる複合体です。腹と脚の間にあるので、内臓保護と脚の運動の両方の役割を兼ねています。腰回りで皮膚のすぐ下に触れるのが寛骨です。大きい寛骨の上方を腸骨、下前方を恥骨、下後方を坐骨と呼び分けます。骨盤の下半分は底の抜けた穴だらけのどんぶりで、これを小骨盤と呼び、膀胱や直腸などが収まります。上半分が腸骨からなる大骨盤で、ここに脚を動かす大きな筋が付きます。
造形では、小骨盤から始めます。まず、底の抜けたどんぶりを作り、前方の正中と後方の左右に切り込みを入れます。そして、穴のすぐ後ろに股関節となるくぼみを作ります。仙骨がある後方は厚くします。
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