増刊号 2024年最新版 外科局所解剖全図—ランドマークの出し方と損傷回避法
Ⅱ.下部消化管
骨盤内臓全摘に必要な解剖
植村 守
1
Mamoru UEMURA
1
1大阪大学大学院医学系研究科 消化器外科学
pp.126-131
発行日 2024年10月22日
Published Date 2024/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407214697
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POINT
●骨盤内臓全摘には側方郭清の手技の習熟と,内腸骨系血管の標準的走行やバリエーションに関して理解しておく必要がある.
●男性症例における前立腺周囲の微細解剖の理解とdorsal vascular complex(DVC:深陰茎背静脈叢やSantorini静脈叢と呼ばれていたが,動脈も存在するため,近年はこう呼称する)の確実な処理は術中出血制御に重要なポイントとなる.
●女性症例では子宮/腟が存在するため骨盤内臓全摘術を要する症例は男性に比べて少ないが,S状結腸/直腸RS部の進行癌では子宮と膀胱に腫瘍が浸潤することがあり骨盤内臓全摘術を要する.基本解剖を理解しておけば女性症例の術操作は比較的容易である.
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