増刊号 周術期管理マニュアル—保存版
Ⅲ術式別の術前・術中・術後管理
小腸・大腸
骨盤内臓全摘術
高橋 吾郎
1
,
上原 圭
1
,
山田 岳史
1
,
進士 誠一
1
,
松田 明久
1
,
横山 康行
1
,
岩井 拓磨
1
,
松井 孝典
1
,
吉田 寛
1
Goro TAKAHASHI
1
1日本医科大学消化器外科
pp.146-150
発行日 2025年10月22日
Published Date 2025/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800110146
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術前管理
●診断から入院まで
周術期管理は「骨盤内臓全摘術(pelvic exenteration:PE)施行が必要と診断された時点」より開始される.局所進行直腸癌においては,初診時に貧血・低栄養を呈している症例が多い.また,通過障害を認める場合には,PE施行に先立ち人工肛門造設が必要となる場合も少なくない.さらに,切除が困難な症例では腫瘍縮小を企図して薬物療法や放射線治療を実施する症例も多い.つまり,手術に至るまでのプロセスは腫瘍進展状況および患者の全身状態に大きく依存するため,個別に治療計画を綿密に決定しなくてはならない.他科との連携はもちろんであるが,メディカルスタッフ,患者およびその家族とも治療計画を共有することが重要である(別表:周術期管理のながれ).

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