術中出血の防止と止血の要点
骨盤内臓全摘術
赤須 孝之
1
1国立がんセンター中央病院 大腸外科
キーワード:
医学用イラストレーション
,
局所解剖学
,
骨盤内容除去術
,
外科的止血
,
腸骨動脈
,
失血-外科
,
Santorini静脈叢
Keyword:
Anatomy, Regional
,
Iliac Artery
,
Hemostasis, Surgical
,
Medical Illustration
,
Pelvic Exenteration
,
Blood Loss, Surgical
pp.1699-1705
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008117103
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骨盤内臓全摘術で処理する血管の中で、出血しやすく止血がむずかしく、大量出血に結びつくのは、内腸骨血管系とSantorini静脈叢である。仙骨静脈叢も処理を誤ると大量出血する可能性がある。これらの出血を防止し、安全に止血するためには、解剖の理解がもっとも重要である。内腸骨血管系の処理では丁寧に全周性に血管を剥離露出した後に鉗子をかけることが肝要であり、盲目的に鉗子を通すことは避けなければならない。Santorini静脈叢の処理ではbunching techniqueが有効である。仙骨静脈叢からの出血には圧迫止血と電気凝固をうまく用いるのがコツである。また、後出血を防止するために出血点は一つひとつ丁寧に確実に止血しなければならない。
©Nankodo Co., Ltd., 2007