特集 実習でともに育つ学生と教員―学生・実習指導者・教員の「それぞれのリアリティ」
看護学実習のリアリティ―教員の実践と成長
鈴木 佳代
1
1東京工科大学医療保健学部看護学科
pp.284-288
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201214
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看護学生との出会い
10数年前、臨床看護師として看護学生の臨地実習指導をしていました。当時、私は臨地実習指導について、看護学生に不足していること、理解できていないことを補足し教えることだととらえていました。しかしその一方で、看護学生のもつ新鮮な思考や対象のとらえ方にハッと思わされたこと、日々の看護実践のなかで忘れかけていた看護の本質を考える機会を得たこともたくさんありました。このような経験は、みなさんもされたことがあるのではないでしょうか。私は、こうした経験から、看護を学ぶ学生へ関心をもち、現在、教員として学生とかかわっています。
そして臨地実習に参加するなかで、影として学生の実践を見守る役割となり、自分自身が看護実践できないことのもどかしさや葛藤を経験することも多々あります。そんなとき、“学生という立場であっても、看護職として同じ土壌に育っている1人のひとである”という思考に立ち返ることで、学生を自分のなかでの世界観でとらえていたことに気づかされます。
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