特集 主体性を育む「問いづくり」
学習者の「知りたい」を引き出す─『問いをつくるスパイラル』から始めるアクティブラーニング
天野 由貴
1
1椙山女学園大学
pp.542-549
発行日 2018年7月25日
Published Date 2018/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201018
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近年,主体的な学習,探究的な学習が求められている。この探究的な学習は,学力が高大接続するなかで,大学においては文部科学省の定義でいう,汎用的能力の育成を図り,発見学習,問題解決学習,体験学習,調査学習などが含まれるアクティブラーニングと呼ばれ1),学習者自身の疑問や問いを探究的な真正の問いにするべく,主体的・能動的に学習に取り組む学習活動として定着しつつある。
ではなぜ,主体的,探究的な学びが必要なのか? その答えは,学習者が将来さまざまな場面で直面する問題には,答えが用意されていないことが多いからである。もしくは,その問題すら何であるかを理解できないことのほうが多いのかもしれない。そういうときにこそ,それまで身につけてきた知識や技術がどれほどのものか試される。そして,その知識や技術を最大限活用するためには,主体的,探求的な姿勢と思考力・判断力・表現力を身につけていることが重要なのである。
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