小さな工夫
簡便かつ容易な尿道スパイラルカテーテル留置法
荻原 雅彦
1
,
小関 清夫
1
1米沢市立病院泌尿器科
pp.261
発行日 1993年3月20日
Published Date 1993/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900819
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近年手術不適応の前立腺肥大症例に対し尿道内ステントの留置が行われ,良好な臨床成績が報告されている。尿道内ステントは本邦ではメタリックスパイラルタイプとポリウレタン製ダブルマレコータイプの2種類が発売されているが,筆者らはこれまで両者に対しその有用性の比較検討を行ってきた。メタリックスパイラルタイプの場合,位置異常を来しにくく,また尿路感染の頻度も少ない傾向が認められる一方で,これまで報告されている内視鏡および超音波ガイド下の留置法は煩雑でまた留置困難例も少なからずみられる。筆者らはX線透視下での留置を行っているが,今回武井医科光器製作所製尿道スパイラルカテーテルの留置に際し,簡便かつ容易な方法を考案したので報告する。
まず逆行性尿道造影にて前立腺部尿道長を計測,尿道スパイラルカテーテルは前立腺部尿道より 5〜10mm長いものを選択する。尿道粘膜麻酔を行った後,体表から膀胱頸部をペアン鉗子にてマーキングする。次にアンジオメッド社製IUCセットに付属しているチーマンカテーテルに尿道スパイラルカテーテルを図のごとく装着し,その後方にイントロデューサーシースをかぶせた状態で膀胱内へ挿入する。尿道スパイラルカテーテル先端が膀胱内に5〜10mm程度突出するように位置を調節しながら,イントロデューサーシースを把持したままチーマンカテーテルを抜去する。
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