特集 私たちのストレスケア
さまざまな形での教員へのメンタルサポート
椋田 容世
1
1埼玉大学教育学部附属教育実践総合センター
pp.182-187
発行日 2018年3月25日
Published Date 2018/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200934
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教職員のメンタルヘルスに関する現状 文部科学省の調査結果から
文部科学省が2013年3月にまとめた「教職員のメンタルヘルス対策について」によれば,2011年度の病気休職者に占める精神疾患の割合は61.7%,約5300名に上り,在職者に占める精神疾患による病気休職者の割合は,2001年度からの10年間で約2倍に増加している1)。教員のメンタルヘルスの現状は依然として深刻な状況にあり,メンタルヘルス対策の充実を図ることが喫緊の課題となっている。
一方,現代の学校現場が抱える問題は,いじめや不登校,発達障害,学級崩壊,保護者対応,虐待,非行,事務仕事の増加など,複雑多岐にわたっており,極めて多忙である教員が抱えるストレスは高い水準にある。2011年度に条件附採用期間中に病気を理由に離職した教員のうち,精神疾患が約9割に達している2)ことは,こうした学校現場において,新任として着任後,一人前の教員として即戦力になることへの要求が,多大なストレスになっていることを示しているといえよう。
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