特集 “いのちの授業”を学生に贈る
“いのちの授業”を看護学生に―学生の学びで教員も変わる
永楽 真由美
1
1昭和学園高等学校看護学科専門課程
pp.1004-1005
発行日 2008年11月25日
Published Date 2008/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101056
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“いのちの授業”のきっかけは?
本校は,高校から看護師養成を行う5年一貫教育の学校です。私がふだん関わる学生は,高校基礎課程を修了した4年生と5年生です。以前の専攻科1・2年生にあたり,年齢は,19~20歳です。学生たちは,交友関係・家庭の問題・進路等,悩みや不安を抱えています。悩んだり考えたりすること自体は必要な体験だと思います。しかし,それが大きくなると,自分で対処ができなくなり,結果として自分の中に閉じこもり,時には自傷行為をする学生がいます。私は,学生に対してもっと強くなってほしい,そして何よりも命を大切にしてほしいと思っています。そのためには,どうしたらよいか思い悩んでいました。
そのような中,5年生を対象に終末期の患者さんを講師に迎えての授業を実施しました。このかたは本校の元教員で,自分の体験を学生に伝えつつ,「患者の痛みに寄り添える看護師になってほしい,元気だから何でもチャレンジできる・体を大切にしてほしい」などの話をしてくれました。この授業を通して,5年生がすこし前向きになったような印象を持つようになりましたので,4年生にもこのような機会がないか考えていた矢先に,西日本新聞で山田泉先生の記事を読んだのです。
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