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書評 ─『看護のアジェンダ』─時代とともに歩んだ看護の変遷と,改めて看護を社会に発信するヒント集
丸尾 智実
1
1甲南女子大学看護リハビリテーション学部 看護学科
pp.289
発行日 2017年4月25日
Published Date 2017/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200724
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本書は著者が11年にわたって「週刊医学界新聞」看護号(医学書院発行)に連載してきた内容をまとめたものである。2005年から書き続けられてきた「看護・医療界の‘いま’を見つめ直し,読み解き,未来に向けた検討課題を提示」してきた内容は,時代とともに看護がどのように変遷をしてきたのかを改めて考えることができる。
本書を読み始めたとき,私はガツンと頭を叩かれたような大きな衝撃を受けた。なぜなら,2〜3ページにまとめられている短い文章には,著者の幅広い語彙力,知識,知識に裏付けられた根拠,それらに基づいて導き出された力強いメッセージが散りばめられているからである。正確には,著者が読者に力強いメッセージを伝えるために,著者のもつ膨大な語彙力や知識が駆使されているのかもしれない(これは,著者が本書で「自分の書きたいことおもしろいと感じることを好きなように楽しくすらすら書いていればそれでいい」という村上春樹氏の言葉を引用した心境とは異なるかもしれないが)。そして,読み物であるはずなのに,明朗な論文を読んでいるような感覚にさえなる。
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