視点
21世紀グローバリゼーション時代に改めて「健康」を問う
林田 雅至
1
1大阪大学COデザインセンター社会イノベーション部門
pp.492-493
発行日 2020年8月15日
Published Date 2020/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209439
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国家資格「衛生管理者」の存在価値
『日本列島改造論』(田中角栄・著)がベストセラーとなった1972年,いわゆる労安衛法(Occupational Safety and Hygiene Act)が施行され,疾病の予防措置などを担う国家資格「衛生管理者(Health Supervisor)」は旧法(1966年)などですでに位置付けられていた.衛生管理者は,非医療系人材も取得可能であることから,職場にも資格を有する同僚がいたりする.ただ,資格よりも技術立国として製造現場での安全が最優先される.1961年世界でも類を見ない国民皆保険制度が始まり,「健康権」の絶対的保障があるためか,衛生管理者が産業医,保健師のはざまで中ぶらりんになったというのは,50年前に資格を取られ,長く保健行政に深く関わってこられたある老翁医療職の率直な意見である.
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