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書評 ─『はじめて学ぶ看護過程』─実践のための看護過程を学ぶ/教える基本の一冊
中村 朝枝
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1国家公務員共済組合連合会呉共済病院看護専門学校
pp.321
発行日 2017年4月25日
Published Date 2017/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200731
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看護基礎教育では,ほとんどの学校が講義や演習,臨地実習などで「看護過程」を取り入れているのではないでしょうか。しかし,学生たちは,看護過程を学習すればするほど「苦手だ。難しい」と頭を抱えているような印象があります。また,「実習で患者さんに援助することはとても楽しい!記録(看護過程)がなければ……」という声をよく耳にします。学生は,看護を実践するとき,さまざまな情報をもとにしながら,思考をめぐらせますが,その内容を言語化することが難しく看護過程に苦手意識があるのではないでしょうか。また,教員も時間をかけて学生に一所懸命指導するのですが,お互いなかなか達成感が得られないことも少なくありません。
本書は全4章で構成されており,第Ⅰ章「看護過程とは」では,看護過程の必要性や考え方を日頃の生活やマンガ『サザエさん』での場面を例に挙げ説明されています。看護が実践されるとき,見ることのできない看護師の思考過程が言語化されおり,看護実践に至るまでのプロセスがイメージしやすくなっています。
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