連載 看護学生 縦のいと、横のいと・6【最終回】
看護師は「発信」を行うべきか
木村 映里
1
1日本赤十字看護大学卒
pp.573
発行日 2015年6月25日
Published Date 2015/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200251
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いよいよこの連載も最終回となりました。今回は,4年間看護学部に通い,看護学生たちと情報交換を行うなかで感じ続けた,「看護師からの発信」というテーマで書こうと思います。
私は今後,看護師主体の,一般向けの発信が増加する可能性があると考えています。現在,メディアへの露出や専門家として一般向けに本を執筆する医療者のほとんどは医師で,看護師が発信するということはあまり行われていません。私自身はそれが,看護師は病院への所属という意識が強く,それによって生じる強い守秘義務のため,何かを発信できる状況にないためだと考えています。また,たとえば「体位交換を行うことで褥瘡が予防される」「口腔ケアを行うことで誤嚥性肺炎が予防される」というように,看護は新しい何かを発見・創造していくことよりも残存機能を維持することに重きを置いていますので,本質が目に見えにくいところが多いようにも感じます。
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