連載 だから私はこう書いた 系看著者のフィロソフィー・6
─「小児看護学概論/小児臨床看護総論」「小児臨床看護各論」─「子どもと家族が中心」の看護を伝えたい
奈良間 美保
1
1名古屋大学
pp.150-154
発行日 2017年2月25日
Published Date 2017/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200692
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書籍を貫く哲学
●「子どもと家族が中心」とは?
─奈良間先生が,系統看護学講座「小児看護学概論/小児臨床看護総論」「小児臨床看護各論」を編集されていく際の,柱とされたお考えからお話いただけますか。
奈良間 私たちがこの本をつくっていく際,「子どもと家族が中心の看護」を根幹としました。
「中心」とは,子どもと家族が主体である,という意味です。どの領域の医療でも,看護の対象となる方は命や健康など,人間の中核部分の問題を抱えている方が多いです。そうすると,疾患や障害以上に,その方の尊厳や,主体であるということが損なわれやすい状況が起こります。これを防ぐためには,医療職がどうしたいか,ではなく,その方が現状をどうとらえて,どのように在りたいか,という視点に立つ必要がありますし,子どもや家族と身近に接する看護師にこそ,この姿勢は求められると思います。
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