連載 “医療安全力”を育むリスクアセスメントトレーニング・Training 23
体験から学ぶチームトレーニング─上級編
斉藤 奈緒美
1
,
石川 雅彦
1
1公益社団法人地域医療振興協会地域医療安全推進センター
pp.234-239
発行日 2016年3月25日
Published Date 2016/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200468
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自ら“気づく力”を育む教育の必要性
医療機関では医師や看護師を中心にさまざまな職種がチームとして連携・協働している。医療機関で勤務する多職種のなかでも看護師は,さまざまな要素が複雑に絡み合った状況下において,“状況認識”“状況判断”“対応”のプロセスを短時間で適切に展開することが求められている。こうした状況では,看護師としての職種経験年数にかかわらずリスク発生の可能性が危惧される。
インシデント・アクシデント事例の発生を未然防止するには,“想定内”がキーワードになる。突発的に発生する緊急かつタイムリーに対応せざるを得ない状況について,ある程度想定することは可能であるが,すべての状況を想定内にすることは難しい。想定外の状況に遭遇した場合に“状況認識”“状況判断”“対応”のプロセスを短時間で適切に展開するためには,すべての状況を1対1対応の知識を提供するのではなく,自ら“気づく力”を育むことが重要である。
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