連載 “医療安全力”を育むリスクアセスメントトレーニング・Training 30
─“こうすればうまくいく”を教える医療安全トレーニング:基礎編─“報告の遅れ”による事例発生を防止する!─事例発生に至るプロセスの見える化と未然防止トレーニング
斉藤 奈緒美
1
,
石川 雅彦
1
1公益社団法人地域医療振興協会地域医療安全推進センター
pp.854-859
発行日 2016年10月25日
Published Date 2016/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200615
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看護学生がかかわる“報告忘れ・遅れ(不適切な報告)”による事例
自施設では,臨地実習(以下,実習)において,“報告忘れ・遅れ”に起因するインシデント・アクシデント事例(以下,報告忘れ・遅れ事例)は発生していないだろうか。“報告忘れ・遅れ”には,“不適切な報告(内容の不備)”という問題も含まれていると考える。これらを合わせ“報告忘れ・遅れ”として表現する。
臨床現場で,インシデント・アクシデント事例の再発防止・未然防止対策を検討するため,発生要因として,「確認」「観察」「判断」「教育」「知識・手技」などに焦点をあてることが少なくない。これらの発生要因は,実習における学生が関与するインシデント・アクシデント事例の再発防止・未然防止対策を検討する際にも重要である。学習途中にある学生の場合,報告・連絡・相談が重要であることは周知のとおりで,実習の事前学習や開始時のオリエンテーションでも何らかの取り組みが実施されていると思われる。
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