連載 “医療安全力”を育むリスクアセスメントトレーニング・Training 1【新連載】
“病院の言葉”でコミュニケーショントレーニング
斉藤 奈緒美
1
,
石川 雅彦
1
1公益社団法人地域医療振興協会地域医療安全推進センター
pp.426-431
発行日 2014年5月25日
Published Date 2014/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102705
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
「病院の言葉」とコミュニケーションエラー
医師をはじめとする看護師や薬剤師などさまざまな医療職は,患者・家族に説明をする機会が少なくない。その際,自分が説明した内容が患者・家族に正確に伝わっていないと感じたことはないだろうか。あるいは,直接・間接的に,「説明内容がよくわからなかった」「もう少し説明してほしい」などと言われたことはないだろうか。日本医療機能評価機構 医療事故情報収集等事業の公開データにおいても説明不足やコミュニケーションエラーによる事例の報告が少なくない。
『国立国語研究所「病院の言葉」委員会』より,2009(平成21)年3月に『「病院の言葉」を分かりやすくする提案』の最終報告(以下,報告書)が出された1)。この提案がなされた背景には,国立国語研究所が実施した全国調査の結果,一般国民の8割を超える人たちが,医師が患者に対して行う説明の言葉のなかに,わかりやすく言い換えたり,説明を加えてほしいと回答したとのことである2)。
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.