特集 看護教員の教育力をUPする!
改めて学ぶアクティブ・ラーニング
三浦 真琴
1
1関西大学教育推進部
pp.40-46
発行日 2015年1月25日
Published Date 2015/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200077
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そもそもアクティブ・ラーニングとは何なのか
アクティブ・ラーニングに関する思い込みを打破する
アクティブ・ラーニングが何であるかについて述べる前に「何でないか」についてふれておかなければならない。
アクティブ・ラーニングは,その語義に可能な限り忠実にしたがって翻訳すれば「能動的な学習」である。それは行為・動作であり,あるいは状態・態度である。このような動作や態度への到達,ハビトゥス*1としての習得を願って,目標が設定され,その目標を実現するために手法が編まれ,方略が組まれる。当然のことながら手法は行為・動作や態度・状態とは識別されるべきものなのだが,2012年の中教審答申はアクティブ・ラーニングを手法の総称として定義したため,大学教育の現場には誤解と混乱が生じている。すなわち「アクティブ・ラーニングという手法」を採り入れれば,飛躍的に学生の理解が深まり,アウトプットのクオリティが約束される云々である。かくのごとき皮相的な誤解を解き,混乱を収めるために「そんな魔法のような手法などない」「そもそもアクティブ・ラーニングは手法ではない」と指摘するだけでは不十分である。まずは“Active learning”という用語,概念が大学教育の場に登場した経緯を知らなければならない。
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