特集 看護教員の教育力をUPする!
「教員」になるために必要な教育力と教員力
新保 幸洋
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1東邦大学理学部教養科教育学教室・教員養成課程
pp.32-39
発行日 2015年1月25日
Published Date 2015/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200075
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はじめに
医療や看護をめぐる社会情勢が激変するなか,看護職員育成の中核を担う看護教員に対して,関連業界から強い期待と要望が寄せられている。厚生労働省は「今後の看護教員のあり方に関する検討会報告書(以下,報告書)」1)のなかで,看護職の質の維持・向上をめざしつつ,量的にも充足するという難問への解決が急務であると述べている。どの業界においてもそうだが,教育の面から考えた場合には,その業界が成長・発展するかどうかは,人材の育成が順調に行われ,良い人材が多数輩出されるどうかにかかっている。人が育たなければその業界は衰退するしかなくなるからである。看護界の人材育成の基盤を支える看護教員には,高い資質と能力が求められている。
今回編集部より,看護教員に求められる力を教育力と看護教員力(以下,教員力)に分け,それらをどのように身につけていけばよいかを論じてほしいとの依頼を受けた。そこで本稿では,主として専任教員養成講習会(以下,講習会)の教育課程を,複数の観点から批判的に検討することで,それに答えたいと思う。
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