連載 卒業前の看護実践能力育成への取り組み 愛知県立大学看護学部「看護の統合と実践」検討プロジェクト・3
一次救命処置(Basic Life Support : BLS)実施への取り組みプロセス
深田 順子
1
,
鎌倉 やよい
1
,
西岡 裕子
1
1愛知県立大学看護学部
pp.1064-1071
発行日 2014年11月25日
Published Date 2014/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200039
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一次救命処置(Basic Life Support:BLS)は,救命の連鎖では心停止の予防,心停止の早期認識と通報の次に位置づけられ,二次救命処置へつなぐための処置として重要な技術である。本学ではBLSの技術を獲得するための講義および演習を,2年前期に基礎看護学,後期に成人看護学の教科で行っている。BLSには,心肺蘇生法(気道確保,人工呼吸,胸骨圧迫)と自動体外式除細動器(Automated External Defibrillators:AED)による電気的除細動が含まれる。モデル人形に対しての気道確保(頭部後屈あご先挙上法),胸骨圧迫,AEDの操作は両教科で共通して実施しているが,人工呼吸については,基礎看護学では一方向弁付呼気吹き込み用具を用いた口対口人工呼吸を,成人看護学ではバック・バルブ・マスクを用いた人工呼吸を行い,段階を追いながら技術の習得を図っている。また,蘇生ガイドラインは5年ごとに見直され変更されるため,2年次に学習した内容が変更された際には,4年次に開講される演習科目である「看護の統合と実践」で変更内容を示し,すべての学生が卒業時にモデル人形に対して適切に実施できるレベルまでに到達できることを目標にしている。
今回,卒業前の看護実践能力の到達目標を「病院内でのBLSを,役割を決定してチームで行うことができる」と設定した演習の取り組みついて述べる。
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