連載 看護実践力を育む教育方法の開発 日本赤十字広島看護大学の試み・9
―教育方法の統合と実践 成人看護学―看護実践力を育むために“考える”“わかる”“できる”をめざす教育
松本 由恵
1
,
鈴木 香苗
1
,
植田 喜久子
1
,
中信 利恵子
1
,
岡田 淳子
1
,
池田 奈未
1
1日本赤十字広島看護大学
pp.348-353
発行日 2014年4月25日
Published Date 2014/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102684
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はじめに
成人看護学の教育目標は,複数の症状をもつ複雑な状態にある成人や家族を援助するための知識や技術を習得することや,成長に向かう援助的人間関係を形成しつつ健康問題を特定し,チームの一員として看護実践する能力を育成することである。開学以来,成人看護学領域では,本学の教育理念や到達目標を基盤として教育内容や方法について検討を重ねてきた。そのなかで,2009(平成21)~2011(平成23)年度に文部科学省大学教育・学生支援推進事業『看護学生のための早期離職予防シミュレーションナビゲーター』に取り組み,教育プログラムの構築を行ってきた。
教育プログラムの目的は,学生が学びを統合し,看護判断力,看護技術力,コミュニケーション力,ヒューマン・ケアリングな関係形成力,チーム構築力といった看護実践力を育むために,“考える”“わかる”“できる”をめざして学生の主体的な学びを育てることであった。
本稿では,成人看護学における教育の概要と,「成人看護学実習II」で行う実習前OSCE(臨床客観的能力試験)をめぐる学習プログラムについて紹介する。
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