連載 ひろがる災害医療と看護 身につけるべき知識とスキル・5
病院支援を行う側と受け入れる側に必要なこと
寺村 文恵
1
,
小野寺 淳
2
1三重大学医学部附属病院
2岩手県立大船渡病院救命救急センター
pp.58-65
発行日 2014年1月25日
Published Date 2014/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102610
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病院支援を行う立場から
寺村文恵
三重大学医学部附属病院 救急看護認定看護師
日本看護協会と都道府県看護協会は,災害時支援ネットワークシステムを構築し,大規模災害発生時の相互支援体制を整えている。被災地で直接看護活動を行う災害支援ナースは,被災地のニーズに応じて柔軟に看護活動を実践することを原則とし,より効果的に被災地の看護職への支援,被災者のケアにあたれるよう,研修の受講が登録要件となっている。
私は,三重県看護協会に登録された災害支援ナースとして,東日本大震災発災から4週間が経過した岩手県の病院へ派遣となった。今回のような甚大な広範囲の規模の災害では,通常の状態への回復には長期的な支援が必要であり,急性期を過ぎた被災地においても医療や看護支援が必要とされた。平常業務に戻りつつある病院での支援活動であったが,単に看護師としての業務が遂行できるというだけでなく,今まで学んだ災害看護に独特な知識や支援者としての態度という事項が活動の基本となった。そしてふだん行っている看護経験を柔軟に活用し,看護支援として求められていることを考えながら行動することが重要であると認識した。
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