連載 誌上講義 国際看護学・10
災害と看護―援助する側・される側というステレオタイプ
近藤 麻理
1
1岡山大学大学院保健学研究科
pp.954-958
発行日 2009年10月25日
Published Date 2009/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101327
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「もう,この世の終わりかと思いました」という言葉は,家族を失い,家を失った被災者のつぶやきです。「災害」には多くの定義がありますが,私にはこの体験者の言葉が一番心に響いてきました。災害発生時は,日本国内だけではなく海外へも援助活動のために看護職が派遣されることがあります。さらに,広域的な災害も多く,1か国だけへの救援活動ではなく,多国籍によるチーム編成で数か国にわたる場合もあります。すべての看護職が,いつか自分も援助活動に関わる可能性があるという気持ちをもち,災害看護への準備をしておくことが必要です。
今号は,被災者=弱者というステレオタイプを作り出しているのは誰なのか,を考えながら被災者の視点を大切にして進めていきたいと思います。
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