特集 教育と臨床の実践的連携をめざして―青森県立保健大学のユニフィケーション
病院側から見たユニフィケーション
板橋 玲子
1
,
阿部 俊枝
2
1青森県立中央病院
2青森県立保健大学健康科学部看護学科
pp.497-499
発行日 2000年7月25日
Published Date 2000/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902281
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はじめに
臨床における看護実践と教育・研究の場の乖離の問題は,しばしば指摘されてきた.本来は大学教員と臨地実習指導者とに隔たりがないことが理想であるが,現実には大きい.その差は,臨地実習における現実的な教育プログラムを提供する上での支障になるし,学生側からみると講義内容と実践との食い違いに戸惑いを感じる一因にもなっている.と同時に私たち臨床家は,その問題を患者の声として直接聞く機会も少なからずある.看護実習生と看護婦の看護行為に,違い・ズレが生じており,患者は困惑するというのである.臨地実習の場において,学生は教室で習ったケアを提供し,臨床では臨床のスタッフのやり方でケアを提供しているのだが,そういう実態の弊害が,学生ばかりでなく直接患者にも及んでいる.
実践と教育のこうした乖離を解決する一助として,青森県立中央病院では昨年6月から新設校である青森県立保健大学との間でユニフィケーションモデルを導入した.これは大学と臨床の連携を強化しようというもので,具体的には①学生に良質な教育を提供する,②実践の向上とケアの改善,③臨床研究の促進を目指している.
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