連載 看護学校管理・運営のための12のポイント・ポイント7
教員として身につけたい能力
江川 万千代
1
1遠賀中間医師会立遠賀中央看護助産学校
pp.958-964
発行日 2013年10月25日
Published Date 2013/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102540
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はじめに
医療が高度で専門的になればなるほど,患者を中心としたチーム医療の必要性が求められる。チームの一員である看護職は,ベッドサイドで24時間患者と接している関係から,専門知識・技術はもとより幅広い人間性が求められる。また,「看護は観察に始まり観察に終わる」といわれるように,直接的ケアから得られた情報は,チームで関わる医師はじめコ・メディカルの人たちへの情報の発信源ともなる。そこで必要とされるのが,安全で安心の医療を提供するための的確な観察力であり,豊かな感受性を効かせた対人関係(患者理解)である。ケアを通して提供される看護の差は,その質に影響され決まる。つまり,看護の質は看護師の質であり,看護師の質は教育の質となり,教育の質は教員の質にかかってくる。
2010(平成22)年2月17日,厚生労働省は「今後の看護教員の在り方に関する検討会報告書」1)で,看護教員の資質・能力に関して示唆を与えている。そのなかに専任教員に求められる能力には,(1)教育実践能力,(2)コミュニケーション能力,(3)看護実践能力,(4)マネジメント能力,(5)研究能力が必要であると記述されている。
今回は,看護教育の第一線で学生に関わる専任教員の能力について,教育実践能力と看護実践能力を中心に,専任教員に身につけてほしい事柄について,体験をふまえながら紹介したい。なお,コミュニケーション能力とマネジメント能力については,前回,前々回(本誌8,9号)に記載しているので,ここでは省略する。
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