連載 看護学校管理・運営のための12のポイント・ポイント3
学校運営に大切な3つのこと
江川 万千代
1
1遠賀中間医師会立遠賀中央看護助産学校
pp.506-512
発行日 2013年6月25日
Published Date 2013/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102422
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少子高齢社会を迎えた今,人々の健康に関するニーズは高く,インフォームドコンセントの普及により,個人の尊厳や病気に対する自己決定など広く啓蒙されるようになってきた。また,科学の進歩は,臓器移植をはじめ遺伝子医療やiPS細胞の発見による再生医療など,医療界に多大な影響を与えている。そこには,当然ながら医療人として高い倫理観を兼ね備えていることが要求される。
看護学校経営の目的の1つは,このような医療の発展に貢献できる人材の育成と,良質な医療を提供する医療チームの一員として,看護の質を担保できる有能な看護師を輩出することにあり,専門職業人としての人づくりである。必然的に,学生たちは看護を学ぶ者として,日々変化する医療現場に対応できる能力を獲得しなければならない。そこには,看護師をめざした動機や信念,周囲の人々との関係性を構築するための協調性や強い意志が求められる。学校側にとっても入学動機が明確な学生を確保することが益をもたらすことになる。大阪府教育センター学校経営研究室の中尾直史氏は,民間人から学校長に就任し,学校経営について研究され,良循環型の学校づくりのためには,「入口を固める」「校内を固める」「出口を固める」この3つが必要であると言っている1)。
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