連載 現代の学生に合わせた看護学導入プログラムの開発・3【最終回】
学生の困難に対する教育上の工夫
佐居 由美
1
,
伊東 美奈子
1
1聖路加看護大学
pp.220-226
発行日 2013年3月25日
Published Date 2013/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102344
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
入学直後の看護学生に戸惑いを覚えることがしばしばある。地べたに座った直後に実習室のベッドに横になる,実習室の物品使用後に片付けずそのまま放置する,なにげない病棟看護師の一言で号泣する,こういったことを目にした経験をもつのは,筆者らだけではないだろう。少子高齢社会を迎え,看護学生の生活体験の少なさや,若者の清潔感の変化,精神的脆弱性が話題になって久しい。
そのような社会背景をうけ,本学では少子化社会の学生の特性に合わせた看護学導入プログラムの開発を試みた。看護学導入期を入学時から患者受け持ち実習までとし,看護学導入期の学生に対して,生活体験1),入学後に感じた困難2, 3)について調査を行った(本誌54巻1,2号参照)。その結果,看護学生は93%に兄弟姉妹がおり,日常的な生活体験は少なくないことがわかった。また,看護学生は,高校までとは異なる学生生活,看護技術習得などについて困難を感じていることが明らかになった。
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.