連載 環境?!・6
「なじみ」の上に加える工夫
筧 淳夫
1
1国立医療・病院管理研究所 施設環境評価研究室
pp.407
発行日 1999年6月10日
Published Date 1999/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901010
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「浴室がなくても病院として認められるのか」,そんなことに気がついたのは12,3年前だったと思う.都内のさまざまな病院をとにかく見て歩いていた頃のことだった.医療法などを調べてみたが,どこにも浴室の設置義務については書かれていなかった.その後,療養環境に関する調査をした際に調べてみると,各病棟専有の浴室どころか,共有の浴室すら持っていない病棟が,全体の5パーセントもあった.そのためだろうか,一般的に,病棟に備えつけられている浴室には,さまざまな問題があるように思える.
そもそも,病院での入浴の目的は何だろうか.清潔の保持はもちろんのこと,日本人独特のお湯につかることによる気分転換や,療養型病床群の場合のように在宅復帰をめざした訓練など,さまざまな目的が考えられる.
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