小さな工夫
開脚困難な患者に対するTUL体位の工夫
加藤 大貴
1
,
麦谷 荘一
1
1浜松医科大学泌尿器科
pp.518-519
発行日 2012年6月20日
Published Date 2012/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102836
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日常診療の中で,関節リウマチ(RA)や手術などの理由により股関節が拘縮し,砕石位をとれない患者をしばしば経験する。そこで,今回われわれは腎摘除術など側臥位での手術の際に用いる若杉氏上肢台を利用して両下肢を固定し,軟性膀胱鏡と軟性尿管鏡を用いてTULを施行し,完全排石を得たので報告する。
症例は53歳,女性(125.5cm,28.5kg,BMI 18.1)。3歳時よりRAに罹患しており,全身の関節に変形・硬直・拘縮がみられ,開脚不能,日常生活は車椅子移乗であった。腹痛を主訴に近医を受診し,左中部尿管に径6×5mmの結石を認めた。自然排石を期待して経過観察を行ったが,下部尿管まで移動するも自然排石はみられなかった。その後も複数回疝痛発作を繰り返したため,尿管結石に対する積極的治療(TUL)を希望して,当科に入院となった。
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